プログラミング手法を学んでもシステムは開発できません.なぜなら,たとえば金融システムを開発するには金融の仕組みや金融に関する知識が必要だからです.プログラミングは手段にすぎないのです.同様に,デジタル技術を学んでもDX(デジタル変革)は起こせません.なぜなら,デジタルは手段であって本質は変革を起こすことだからです.変革を起こすためには,それぞれのビジネスの仕組みやその問題点,新たな価値を生み出すためのイノベーション創発手法に精通することが必要です.特に,DXの最終目標である「デジタルによる異分野融合イノベーション」を達成するには,複数の業界・分野・ビジネスモデルに関する理解が欠かせません.
そこで,崇城大学IoT・AIセンターが中心となって推進している、「異分野間の地域資源をつなげることによって新たなつながりから新たな価値観を創出すること(異分野融合イノベーション)」を目的とした「地域DX」の実証実験がスタートします.本実証実験の特長の一つは、崇城大学IoT・AIセンター長の星合隆成教授が1998年に提唱した「P2P」、ならびに、2011年に提唱した「SCB理論」に基づいて推進されることです.SCB理論は,個々のDXの取り組みを「横ぐし」にし,個々のDXの取り組みの最大公約数となるプラットフォーム(共通基盤)を構築するための共通言語です.
SCB理論に基づいて,IoT, AI, xR, メタバース, P2P, Web3.0などの最先端ICT技術でDXハブ(地域資源)をつなげることによって、地域DX・地域イノベーションのためのプラットフォームを構築します.